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012のコネタというか(012やってなくても一応通じるか)。
ゴルベーザ&セフィロスは折りたたみ先から。
今はこれが精一杯。
颯爽を歩く姿が前からやってくる。黒いコートと長い銀髪をなびかせたセフィロスだ。
特に係わり合いはないのだが、ゴルベーザは彼を呼び止めた。
「この世界の、カオスのものにはそれぞれ望みがあるようだが、おまえの望みは一体何なのだ? まさかクラウドいびりではあるまい?」
そう聞くのは、以前カオスにいたクラウドがセフィロスにしつこく付きまとわれて出奔、何をどうトチ狂ったのかカオスに喧嘩を売って敗退したという記憶がゴルベーザにあるからだ。
クラウドにとって、同じ世界からきたティファという女性がこの世界に呼ばれたというのも大いに関係しているのだろうが、彼女の出現は単なるきっかけにしか過ぎず、セフィロスの真綿で首を締めるような態度に辟易していたと思えなくもない。
「聞いてどうする」
「カオスの手の者達はそれぞれが目的を持って行動しているが、時として互いが邪魔になる事もあるだろう。ケフカなどは同士討ちなど悪びれずに行える。だが私は無駄な争いは避けたい。おまえの目的がクラウド…あやつがおまえの獲物だと言うのならば、私が手を出さぬ方がお互いにとっていいだろう。手間も省ける」
ゴルベーザの真意を確かめるつもりか、ちらりとセフィロスは視線を投げてきた。が、すぐにその視線はどこか遠くへと飛ばされる。
「…旅だ」
「旅?」
「星を船に、宇宙を旅するのが私の望み。この閉ざされた世界では、叶う事のない望みだがな」
なるほど、それで鬱屈して同じ世界から来たクラウドいびりで気を紛らわせていたという訳か。と、納得したゴルベーザではあった。そこでやめておけばよかったものの、つい、彼は本来の優しさが顔を覗かせ口を開いてしまった。
あろう事か、ぽんとセフィロスの肩に手を置いたのだ。
「宇宙の放浪者になるなど、思う程、良いものではないぞ。夢を壊すようだが、暗い宇宙の旅は長い。基本的に、ずっと寝てる事になるばかりでそう楽しいものではない。起きていても無駄に歳を取る上、暇で暇で仕方がないのでな。好奇心が旺盛なのは結構な事だと思うが、わくわくとした遠足気分になど、到底なれぬぞ。目的地もなくあてどもなく彷徨うなら尚の事だ」
言い含めるような言葉を耳にしたセフィロスは、自分の肩に置かれた大きな手を見てから、漆黒の兜の奥に隠れた瞳を胡散臭そうに見上げる。
「…やった事があるような口ぶりだな」
「悪い事は言わぬ、夢は夢のままにしておいた方が良い事もあると知るがいい」
釘を刺すように言うと同時に肩の手は退き、ゴルベーザは背中を向けて立ち去ろうとする。
遠ざかる姿を、眉を潜めて見送くるセフィロスの心中にあるのは、果たして嫉妬か、羨望か。
決して他人とは関わらないセフィロスがゴルベーザに遠まわしな嫌味とも助言ともとれる言葉をかけるようになったのは、この一件があってからという事は、本人達意外は誰も知らぬ事実であった――。
宇宙の放浪者なんていいものじゃないとリノアも多分言うだろう。どこかの誰かのおかげで「うちゅうのほうそくがみだれる!」があるかもしれないし。
「光が懐かしいか」というゴルベーザとセフィロスの例の会話の意図というか、主にセフィロスの性格を考えるとあまりにも唐突で関係性がまったく見えてこないのだが(プロログスでのクラウドに対するゴル様の言動を考えれば多少分からなくもないが)、セフィロスはゴル様の暗躍を知ってるというアプローチなのか。
だとしたら最初から最後まで無関心を貫くセフィロスな気もするので、何かしらがあったんじゃないかと考える事もできる。あのシーンのセフィロスは意外なまでにお人よしに見えるのは私の気のせいか。
自分(セフィロス)はお前(ゴルベーザ)の暗躍を知っている、他にも勘付く奴がいるかもしれない(やるのならばせいぜい上手く立ち回るのだなというニュアンス)と、遠まわしに言っている気がしてならないんだが。
まあセフィロスはダブル願望があったので、単純に宇宙を旅したい訳じゃないはずなんだけど。ここいらちょっとウロな部分もあるからFF7をもう一回やりなおすか。結構取り逃してるマテリアあるんだよなー。