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サイトのメインコンテンツとしての更新はないけど、それでもいらしてくださる方に対して電波ゆんゆんなこの萌え語りだけでは申し訳ないような気がするので、諸事情から没ったリサイクル品テキストを放出してみる。裏モノはありませんので、続きからどうぞ。今回は子供頑張るネタ、昨日のデータの(笑)の部分。
WEB拍手ありがとうございます! このデータはPC内に保存だと適当な名前をつける→失くすという事態を避ける為にもブログのカテゴリー機能を活用しています。私の場合は設定を抑えつつ、どこに遊び要素を入れるかというネタ探しの目安のデータでもあるので、これに関して拍手をいただけるとは思っておらずにびっくりです(記憶頼りに書き出したので抜けてるのもあるかもしれません、すみません…)。やはりベイガンは押さえておかないとですね(笑)「え、もう5人いるのにまだ仲間になるの?」と思った記憶が忘れられません。
○●
―ベイガンが仲間になった!―
「さあ、行きましょう!」
意気揚々と進もうとするベイガンに、セシルが声をかけた。
「ちょっと待ってくれ、ベイガン。5人以上は仲間にはできないんだが」
この言葉に、ベイガンは平然と振り返ると双子を指差した。
「そんな事簡単ですよ。ほれ、そこのちっこいの」
「ちっこいって言うな!」
パロムがむっとするのも気にせず、ベイガンは喋り続ける。
「言われて怒るのは自ら事実だと認めているという事ですよ。コホン、話がずれましたが、そこのちっこいの二人を一枠に収めればいいではありませんか。実力も半人前ならば、足して丁度一人分でしょう」
「しかしアビリティ枠が足りぬ。どうなさるおつもりだ」
強引なやり方にヤンが眉を潜めるが、ベイガンは涼しい顔。
「こんなおチビさん達が物理攻撃したってたかが知れている。『戦う』をなくして、『白魔法・黒魔法・嘘泣き・強がる・アイテム』だと、ほーらぴったりじゃありませんか!」
「確かにそうじゃが…」
納得する言葉を一応口にするものの、テラも渋い顔をしている。ベイガンは優越感に浸っているのか、饒舌さは増すばかり。
「それに比べて私は両手に武器を持てますので、攻撃力は三倍に! それに実は私、ヘイストも使えるんですよ。そこのおチビさんには使えないでしょう?」
「ベイガン、君はいつの間にそんな力が…? しかし君がいてくれれば心強い」
いぶかしがりつつも否定しないセシルの前に、それまで黙っていたポロムが足を踏み出し、ベイガンを真正面に捕らえてじっと見つめる。
「お待ちになって、セシルさん。この人を仲間にしてはダメですわ。だって、魔物の臭いがしますもの」
「そうだよおまえ、臭いんだよ! うまく化けても魔物の臭いは隠せないぜ。おいら達を相手にしたのが悪かったな!」
「…今日日のガキは自分の都合が悪くなると、相手を魔物扱いですか。やれやれどんな教育を受けているのやら」
「あんちゃん、騙されちゃダメだ!」
「セシルさん、情に流されてはいけませんわ。今のあなたは真実を見極める目をお持ちのはずですわ」
「二人とも……」
毅然とした態度の二人を見つめたセシルはやがて顔を上げ、近衛兵の長を見つめた。
「ベイガン、まずは陛下の所へ案内してくれ。君を仲間とするかどうかは、その後で考える」
「くっ…このガキ共め、余計な事を…!」
憎悪に歪んだベイガンの表情が凄みを増し、徐々に魔性の者へと変貌してゆく。かつて共にこの城を守った者の裏切りと、おぞましき変身を目の当たりにして愕然とするセシル。そんな彼を庇うように双子がその前に立ち、それぞれ己の武器を構えて戦う体制を取った。二人は憎悪を正面から吹き付けてくる魔物に対して怯む事無く、不敵に微笑んでいる。
「やっと本性を現しましたわね! セシルさん、信じて下さってありがとうございます!」
「あんちゃん、来るぞ! 元同僚だからって手加減すんなよ! ――おっさん、この天才魔道士のパロム様をチビって言った事を後悔させてやるぜ!」